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さて、カンの良い方はもう分かっただろう。この平凡な女子高生・音無 胡桃の平凡じゃない点――それがこの『イケメンホイホイ体質』、別名『乙女ゲー体質』である。
道を歩けばナンパされ、集団に入れば争奪戦。しかもそうして寄ってくる男の全てが標準より（中身は置いといて）上の中～上。
小学校の時はまだ可愛げが（それでも、靴箱が大量のラブレターで埋まったのにはちょっとひいたけど）あった。しかし、中学になると体質は更に悪化し、四六時中男どもに追いかけ回された。唯一の救いといえば、その状況に僻みを通り越して哀れに思った女子が普通に接してくれたことだろうか？
まぁ、そんな環境だったものだったから逆にマトモな恋愛ひとつ出来ず今に至るというわけだ。
*
「……ってオイ！」
「っうえ!?」
過去から帰ってきたら、宮津先輩の顔面アップ。これはいくら何でも心臓に悪いだろう。
「ッケ！お前話聞いてなかっただろ？」
「あ～、すみません……」
気のせいだろうか、宮津先輩がドンドン俺様からチンピラに見えてきた。
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