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「ま、詳しいことは後でだな。2人とも放課後、生徒会室まで来い」
「……それって絶対ですか?」
「おう、会長命令だ」
思いっきり会長を睨んだつもりだったが、あっさりかわされてしまった。どうやら私の意思は完全無視のようだ。
「用はそれだけだ。ほらお前ら、さっさと自分の教室に帰れ」
「何でテメェに……」
「何様俺様宮津様ってか。どーでも良いけど、役員全員が授業遅刻ってのはみっともないぜ?音無も呆れるよな?」
「ふぇっ、は、はいっ……!」
まさか自分に振られるとは思わなかったんだろう、“な?”と笑顔で向けられたアイコンタクトに胡桃はパニクりながら答えた。
すると惚れた弱みと云うやつなのだろうか、胡桃の答えを聞いた宮津先輩は一回舌打ちすると、さっさと教室から出て行ってしまった。
「仕方ないッスねぇ。それじゃあ胡桃ちゃん、また後で」
「放課後、楽しみにしてるよ」
1人が出て行けば後は速い。他の2人も別れの言葉を残してさっさと出て行った。
「じゃ、俺も帰るけど……、千羽」
「はい?」
役員'sをどこか愉しげに見送った会長は再度こっちに振り向きながら言った。
「逃げるなよ?」
――それは、会長の中で最高の笑顔だったと思う。
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