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しかし長門もファッションに興味を持つようになるとはな。これも少しずつ人間に近付いている証拠であろう。娘の成長を見守る父親の如き目で俺が長門を見ている内に今日の活動はいつもの本を閉じる音で終了となった。
その夜いつものようにベッドで横になっていると、携帯が震えだした。誰だ?………長門か。どうしたんだ。嫌な予感がする、長門がこうして自ら連絡をとってくる時はだいたい宇宙的、未来的、超能力的な何かが起こっている場合で、ありその場合99%の確率で俺に災厄が降りかかる仕組みになっていて、巻き込まれない可能性はほぼ0に近い。例えるならマンボウの子が生き残る確率くらいだ。…たかが着信くらいで長々と語っちまったな。とりあえず出るか。ガチャ、
「長門か、どうした?」
「………」
あのー、長門さん?俺も見えない表情を読み取るのは不可能だ。頼むから声に出して下さい。
「そう…。」
そうです。電話の最初のやりとりはもしもしという決まり文句があってだな、
「もしもし。」
いや、もうワンテンポ早くその台詞が欲しかったのだが…。それよりどうしたんだ、またハルヒがらみの厄介事か?
「違う。涼宮ハルヒとは関係ないこと。」
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