椰子なごみと伊達スバル

2/6
前へ
/114ページ
次へ
今日の授業も終了し、生徒たちは部活やら帰宅やらで騒がしい。 そんな景色を眺めていたとき、屋上のドアが開いた。 ???「・・・」 永久「ん? っと、椰子か」 そこにいたのは同じクラスの椰子なごみ(やしなごみ)だった。 相変わらず不機嫌そうな顔をしていた。 永久「お前の居場所とって悪かったな、俺はこれで失礼するよ」 椰子は基本他の人とは干渉しない奴だ。 俺と同じ匂いがするからなんとなく分かる。 なごみ「・・・いえ、別に私がいなくなればいいだけですが?」 永久「いいよ、俺は今から行く場所あるし。」 なごみ「そうですか・・・」 そんな会話をしつつ、屋上を後にする。 ・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・ PM7:34 駅前の改札口では、帰宅ラッシュで人だかりが出来ていた。 恋人を待つものもいれば、親を待つものもいる。 俺はそんな中、改札口近くのベンチにいた。 俺には帰る家などはない。 別に親が死んだとか言う理由でもないが、俺には家がなかった。 俺の生活サイクルは夜活動の朝睡眠という形になってしまっている。 夜はもちろんバイトである。 ・・・まぁ、無断でバイトしているんだけどな。 永久「・・・・ん?」 偶然見かけた視線の先に、人だかりがあった。 俺は興味本位でその野次馬の中に入っていくと、どうやら揉め事のをしているようだ。 ・・・っと、あいつは 永久「伊達スバルか・・・」 伊達スバル・・・ 竜鳴館の問題児が多い2-Cにいる陸上のスプリンター・・・だったか? 喧嘩は強いはずだが、あのジャージ姿からすると・・・ロードワーク中ってところか。 やれやれ・・・こういう状況につい手を出してしまう自分に悔やむね。 野次馬をのかし、伊達のいる場所へ向かう。 スバル「? 誰だお前」 永久「説明は後だ。お前は手を出すなよ」 困った奴には手を出してしまう性分・・・治らないものかと思うぜ。 。
/114ページ

最初のコメントを投稿しよう!

227人が本棚に入れています
本棚に追加