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僕は、誰にも云わずひとり死のうと思います………
最期にこの世界の景色をちゃんと見たくて
高い高い雲よりも
はるかに高い
誰も登ったことのないような
大きな樹に登って
僕は身を投げました………
そこには今まで見たこともないよぅな綺麗な世界が広がっていました
海の蒼
森の碧
夜の黒
陽の紅
…僕にとっての太陽は
「あの子だった」
気がつくと僕の背中にはきらきら輝く透き通った小さな羽があって
その羽は、お空の上の
星より遠い
「あの子」が居る場所へ
僕を連れて行ってくれる気がした…
「迎えに行くよ!!!」
彼は残された世界にさよならをしました
ひとあし先にこの世界を旅立った、大切な「あの子」を追いかけて
この小さな羽で、どこまで行けるかわからないけど…
たったひとつの大切なものを目指す彼の旅も今、始まりました――…
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