君がいる

女と男

女が好きか？
うーん………。
男が好きか？
………うーん？
はっきり言う。
オレはオレが好きです。
頭足りないところも、別に美形ではないところも、身長173なところも、ぜーんぶひっくるめて、オレはオレが好きです。
だからって男が好きとは言わない。
ナオトとつきあっているようになってるけど、男が好きとは言わない。
女が好きかと言われると、ナオトがいるしなぁと思う。
それでもまぁ、友人に借りたエロDVDとか見たりもする健全な男でもある。
いや、もちろん男と女のやつだし。
男と男のは自分やってるくせに見たくないとか思う…。
まわりの友人を性的対象に見てるわけでもないし。
何に興奮する？って聞かれると、よくわからない。
胸はでかくても小さくてもいい。
下半身は…、うーん…。
行為を見てるのは興奮する。
なんだろう？
オレ、真性ゲイってわけじゃないとは思う。
好きの形がよくわからないだけというか。
どちらかというとバイセクシャル？
女としたことないからわからないけど。
どことなくナオトも同じような気がする。
ナオトも、今はオレとつきあっているような形になっているけど、別に女ともやれるんじゃないかって。
ナオトはオレに言った。
「女に体を弄ばれ過ぎたから…」
オレを襲った理由らしい。
どういう意味かはよくわからないけど、たぶん男じゃないと受け付けないっていうわけじゃないんだろう。

オレとナオトはもちろん学校でいちゃつくなんてことはしない。
今までどおり、挨拶くらいはする程度。
で、家に帰るといちゃついていたり、のんびり過ごしていたりするわけだ。
あまりにもナオトが家に入り浸るから、オレもナオトの家にいってみた。
ものすごい豪邸で、ナオトの部屋は離れという建物で。
お坊ちゃまだと初めて知ったあの衝撃は忘れられない。
なんでも父親が財閥とかなんとか。
一般市民のオレの近くにこんな金持ちがいるなんてって感じ。
オレも父親がご立派なもんだから、それなりに裕福な生活させてもらってはいるけど、一般市民だ。
お坊ちゃまには遠く及ばない。