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オレはなんとか親に連絡をとり、「友達の家を間借りさせてもらうことにした」と報告した。
あの火事の話はニュースにもなって、もちろん親にも連絡いっていて、一部始終を話さなくても、すぐに連絡をとれなかったことも通じた。
ちなみに間借りする友達が女友達とは決して言えない。
藤崎にこれ以上迷惑はかけられない。
親には口うるさく、くれぐれも迷惑かけないようにって言われたけど、すでに迷惑はかけてるし。
友達に挨拶するとかいってきかないし、国際電話だっていうのに長電話になってしまった。
これはもう、金が入ったら藤崎に一番に渡さねば。
オレは親との電話を終えると、ソファーに座ってお菓子を食べていた藤崎を振り返る。
今日は学校なのに、制服もなにもなくなったオレにつきあって藤崎も休んでくれていて。
頭が痛くなるようなことばかりが山積み。
やるしかないっ。
「これからしばらく世話になりますっ。よろしくお願いしますっ」
オレは深々と藤崎に頭を下げる。
「うん、まぁ、お風呂掃除くらいはしてね?あと部屋も片付けてね?」
「任せろっ。これでも1年一人暮らししてきたんだ」
オレはぐっと拳を握る。
最初の半年はぼろぼろだったし、あとの半年はナオトがいたおかげで暮らせていたところもあるけど。
言えない。
ここでの生活に支障をきたすようなことは。
「んじゃ、ご飯でも作りますか」
藤崎は立ち上がり、キッチンへと向かう。
「あっ。オレ、作れるよ?」
「明日作ってもらう。葉山の料理、楽しみかも」
明日…。楽しみ…?
あれ?なんか……うれしいんですけど?
すぐに言葉が出せなかった。
そうか。同居って…そういうことなんだよな。
一緒に暮らすこと。
藤崎が料理作ってくれたり、オレが作ったり。
藤崎が返事をしないオレを不思議そうに見る。
「…あ、うん。明日、がんばる…」
オレは藤崎の視線に答える。
がんばりたい。
藤崎のためになるのなら。
この恩返しができるなら、なんでもする。
料理、自信ないけど、がんばりたい。
うまいって藤崎に言われたい。
……なんでだろう?
オレ、なんか緊張する。
あれ?これって…、もしかして…。
好き?
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