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オレが痛くて転げ回っていても笑うしっ。
あの美形なら、こう、優しく大丈夫?って…。
ないな。ない。ナオトだし。
ものすごく邪気を感じる。
無邪気じゃなくて、これは邪気だ。
「ショウヘイ、意地悪したお詫びに晩飯作ってやるよ。それで許して」
それは……、ありがたいかもしれない。
ナオトが作ってくれた手料理は予想以上にうまかった。
これなら…、オレも真似できるかも?
料理なら調理実習でやらされるし。
せめて料理くらいナオトと並んでやりたい。
いや、ナオトと一緒に料理したいという意味ではなく…。
ナオトの料理で腹一杯、満足して、テレビを見て過ごす。
そういえばナオト、いつ帰るんだ?
そう思った頃にはすっかり真夜中。
「ナオト、家は?帰らなくていいのか?」
「大丈夫。泊めてくれる?」
「別にベットも余ってるしいいけど?」
オレが答えるとナオトは笑顔を見せる。
こいつの笑顔って、たぶんオレしか見てないんだよなと思ったりして。
校内一美形と思われるあの神崎ナオトと友達か……。
悪くはない。
邪気ありまくりのところが気になるけど。
なんて思っていたオレの寝転がった背中、いきなりナオトが乗ってきた。
……その美形でプロレスかよ……。
いっそのこと女になればいいのに。
そうしたらつきあえる。
童貞やめられる。
オレはナオトに固められる前にナオトを固めてしまおうと、腕をのばそうとした。
その時、オレの耳元、すぐ近くにナオトは顔を寄せてきて。
「ショウヘイ、やらせて」
その声が妙に艶っぽくて。
何を?って聞くこともできずに真っ赤になってしまった。
プロレスの技を決めさせてくれとどうせなら言って欲しい。
変な勘違いしそうになる。
ナオトの手は、だけど、プロレスをするような手つきじゃなかった。
オレの体を撫でる。
尻を、太腿を。
えっ?あれ?えっ?
ちょっ……、えぇっ!?
「ショウヘイの体、抱きたい。ダメ?」
盛ったような呼吸が聞こえる。
首筋にキスされて、オレの体はピクリと反応してしまう。
なっ、ななななっ!?
勘違いじゃないっ?
なに、これっ?
もしかしてオレ、男に犯される…?
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