311人が本棚に入れています
本棚に追加
冗談だと思った。
どこまでかすれば、冗談だって笑うような気がしてた。
鼓動は早くて、ナオトの手も唇も気持ちよくて。
その気になってしまいそうな、そんな……。
けど、初めてが男って…、そんな同性愛とかオレ…。
迷っている気持ちはあるのに抵抗できない。
服を脱がせられて、ナオトがオレの背中に腕を回す。
無理…。無理だって。
だって男同士だろ?
ケツの穴なんて嫌だって…。
掘るのも掘られるのも嫌だってば。
思うのに、ナオトのすることが止められず、オレの呼吸は荒くなっていく。
やめろって言えばナオトはやめるはず。
なのに言えない。
もっとって求めたくなる。
「……あっ…」
なんて思わずあげてしまった自分の声に、恥ずかしさに真っ赤になってしまった。
ナオトの顔を見ると、オレのあげた声にうれしそうな顔を見せて。
オレのバージン、奪われた。
もう婿にいけません…。
ナオトに犯されまくった。
あげたくないのに声は出るし、抵抗したいのに力は入らないし。
終わったあと、オレはぐったり。
でも……、この気持ちよさって……なに?
オレ、出してないのに。
ナオトはオレの隣で、素っ裸で煙草吸ってる。
……オレ、女みたいじゃないか?これ。
ナオトのケツ、犯してやらないと気が済まないぞ。
ナオトが煙草の火を消すと、オレはナオトを組み敷いた。
「なに?ショウヘイも入れたくなった?」
「じゃなくてっ。オレだけ犯されるなんて、なんかっ」
「していいよ?」
背中に何か興奮のようなものが駆け登る。
ナオト、こいつ……。
男とすることに慣れてる?
ゲイってやつ?
そしてオレは…?
オレはめちゃくちゃにナオトを襲ってやった。
興奮してしまった。
かなりやばい領域に引き込まれているような気がしながら、後には引けず。
ナオトが気持ちよさそうに喘ぐ。
その顔がオレを興奮させる。
もう……いいかも。オレ。
ゲイでもなんでもいいかも。
どうせ女にふれることなんてできないし。
男と恋愛でもいいかも。
ナオト、美形だし。
女としたかったらナオトに女装させればいいんだし。
なんか開き直ってしまったオレがいる。
最初のコメントを投稿しよう!