みつけたもの

2/8
128人が本棚に入れています
本棚に追加
/97ページ
  そこだけ明るく、まるで光を放っているように見えた。     入学式を終え、帰る途中に他のクラスから元気な男子の声が廊下まで響く。 何気なくその声の主を探して見てみると、複数の男子に囲まれ、中心で一人の男子がしゃべっていた。   一瞬で目を奪われた。   動く事も出来ず、中心にいる人を見つめる。 光輝く彼を。   心臓が早く打ち始め、顔が赤くなる。 手からかばんが落ち、その音にはっとして慌てて彼から目をそらした。 かばんを拾い、赤くなる頬に片手を添える。 心臓は鼓動を強めたまま、弱くなる事はない。   私、もしかして……   自分の気持ちに確信を持てぬまま学校を後にした。  
/97ページ

最初のコメントを投稿しよう!