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そこだけ明るく、まるで光を放っているように見えた。
入学式を終え、帰る途中に他のクラスから元気な男子の声が廊下まで響く。
何気なくその声の主を探して見てみると、複数の男子に囲まれ、中心で一人の男子がしゃべっていた。
一瞬で目を奪われた。
動く事も出来ず、中心にいる人を見つめる。
光輝く彼を。
心臓が早く打ち始め、顔が赤くなる。
手からかばんが落ち、その音にはっとして慌てて彼から目をそらした。
かばんを拾い、赤くなる頬に片手を添える。
心臓は鼓動を強めたまま、弱くなる事はない。
私、もしかして……
自分の気持ちに確信を持てぬまま学校を後にした。
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