みつけたもの

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  「仮入部いいですか?」    元気な華乃の声がテニス部の部室にこだまする。 中から、ショートカットの女の先輩と背の高い男の先輩が出てきた。   「こんにちは。喜んで、こちらへどうぞ」   ショートカットの先輩が中へと促してくれる。 スコートからのびる足が細くて綺麗で思わず見とれてしまった。   「どうしたの?」   見とれて、足を進めるのを忘れていたようで、先輩の声に我に返って   「いえ、あの先輩が綺麗だなと」    と思った事を口にして、慌てて華乃の後を追った。 ふとした瞬間、暖かなものが体をつつんで、柔らかなものが頭に当たる。   「せ、先輩!」   先輩から抱きしめられ、   「可愛い、ありがとう!」   と言われて真っ赤になるのを堪える事が出来なかった。  
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