128人が本棚に入れています
本棚に追加
/97ページ
「仮入部いいですか?」
元気な華乃の声がテニス部の部室にこだまする。
中から、ショートカットの女の先輩と背の高い男の先輩が出てきた。
「こんにちは。喜んで、こちらへどうぞ」
ショートカットの先輩が中へと促してくれる。
スコートからのびる足が細くて綺麗で思わず見とれてしまった。
「どうしたの?」
見とれて、足を進めるのを忘れていたようで、先輩の声に我に返って
「いえ、あの先輩が綺麗だなと」
と思った事を口にして、慌てて華乃の後を追った。
ふとした瞬間、暖かなものが体をつつんで、柔らかなものが頭に当たる。
「せ、先輩!」
先輩から抱きしめられ、
「可愛い、ありがとう!」
と言われて真っ赤になるのを堪える事が出来なかった。
最初のコメントを投稿しよう!