第2章

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「佐藤は、今朝急に倒れ緊急手術中です。…コッチもいきなりでビックリしたよ」 佐藤さんの部下もいきなりのことで驚いていた。 佐藤さんが抜けた穴を埋めるために、バタバタ動いている音が電話越しに聞こえた。 俺は、励ましの言葉も言えず、静かに電話を切った。 佐藤さんが倒れた次の日、上司から詳しい話を教えてもらった。 「佐藤は動脈癌だった」 「手術は昨日の朝はやくから夜遅くまで行われた」 「手術後、佐藤の意識は戻っていない」 「向こうの仕事でバタつくし、コッチに仕事が回るかもしれないから覚悟しておけ」 そう言われても、俺は、なにも頭に入ってこなかった。
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