第2章

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覚悟を決めた次の日、いつも以上に仕事を頑張り、はやめに終わらせてから上司に申し出た。 「佐藤さんが入院している病院を教えてください」 「……行っても無駄だぞ?意識はまだ、戻っていない」 「わかっています。だけど、ジッとしていられないんです」 ただ、真っ直ぐ上司の目を見つめた。 いつもは怖くて目をそらしてしまう上司の視線を受け止めた。 上司は小さく息を吐くと、紙にサラサラとなにかを書いて俺に渡した。 「勝手にしろ」 紙には病院名と簡単な地図がかいてあった。 「ありがとうございます」 俺は、深く頭を下げて礼を言った。
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