第2章

2/5
前へ
/38ページ
次へ
あぁーあ…。 最悪………。 直接、佐藤さんに聞かなければならない仕事ができ、佐藤さんに電話をかけなければいけなくなった。 俺は、テンションの低いまま佐藤さんの携帯に電話をかけた。 「もしもし?〇〇社の上田です。お世話になっております。ケーキセットについてなんですが…」 佐藤さんに話させないように、俺は要件だけを早口にはやし立てた。 いつもとなにか違うなと思いながらも要件を話しきり、俺はやっと口を止めた。 俺の言葉が止まったあと、ゆっくりと落ち着いた声が電話から聞こえた。 「私、佐藤の弟ですけど…」 「………えっ?」 佐藤さんの弟と思われる人から、俺はゆっくりと話を聞いた。 「兄は今、手術中です。申し訳ありませんが、仕事の件は会社にお問い合わせください」 俺は、頭が真っ白になりながらも「失礼いたしました」と電話を切った。 電話を切った後、俺は自問自答を繰り返した。 手術? 事故か? だって昨日、チラッと見かけたけど普通だったよな? …なんで? どうして?? 俺はうるさい心臓を無視して佐藤さんの会社へ電話をかけた。 そこで、俺は信じられないことを耳にした。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加