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そんなこんなで少し騒がしい朝を終え、二人は公園に来ていた。
公園といっても遊具は殆ど無く、少し歩けば別の新しい公園があるので誰も来ないような場所だ。
そこでフウコは自分の能力の説明をするらしい。
しかし今、拓は別のことで頭がいっぱいだった。
昨日は気が動転していて気付かなかったが、フウコはとても美人だった。
顔は日本人形を思わせる程綺麗なつくりをしていて、烏の濡羽色の髪はすとんと腰まで落ちている。
着物でよくわからないなりに、その胸の膨らみが大人の女性だということを伝えていた。
身長は170センチの拓より少し低い。
人間ならたぶん20歳くらいだろう。
そんなことを思っていると、フウコがいきなり手を握ってきた。
「え…ちょ!? 何!?」
さっき考えていたこともあいまってかなり焦る拓。
『話を聞いていなかったんですか、拓さん。これから私は元の姿、刀に戻りますから、ちゃんと握っていて下さい』
「あ、あぁ…わかった」
刀を持つという言葉を聞き拓が落ち着いたのを見て、フウコは元の姿、布都御魂剣に戻った。
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