その名の意味

8/9
前へ
/13ページ
次へ
戻るのは本当に一瞬だった。 まばたきをしたら前に居たはずのフウコが消え、拓の手には昨日見た、刀身1メートル程の日本刀があった。 『私を持ってみてどうですか? 拓さん』 そしてその刀からフウコの声が聞こえた。 「あぁ、いい刀だな。何でも切れそうだ」 拓は刀のことなど知らないが、純粋にそう思えた。 『それは嬉しいです。では、本格的に私の能力を説明します。…そうですね、手始めにあの木の枝を斬ってみて下さい。』 言われた通りに木の枝を斬る。 すると斬り落とした枝は、地面に落ちずに斬った瞬間風化した様に消滅した。 拓は鳥肌が立つのを自覚しながらフウコに訊いた。 「…おい、フウコ、今のが…」 『はい、今の現象が英霊剣である私に与えられた恒常展開型固有剣技(アビリティ)、〈魂斬り〉です』 更にフウコは説明を続ける。 『元々私の名前の"布都"は"断ち斬る"という意味なんです。 我が名が示すは魂を断ち斬ること。 斬ったモノはその物質の中心からの魂の供給を断ち斬られ、即座に消滅します』
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加