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道路の真ん中に一人の少年がまるで魂を抜かれたような、ほうけた表情で立っていた。
どうやら学校帰りのようで、制服を着て、手には鞄を持っている。
しかし、彼がそんな表情なのも当然かもしれない。
彼の前には日本刀が刺さっていた。
抜き身の日本刀がアスファルトの道路にヒビ一つ入れずに突き立っていたのだから、驚くなという方が無理だろう。
その少年、藤崎拓(フジサキ タク)は正気を取り戻したようで、
「いやいや待て、何でいきなり俺の前に日本刀がぶっ刺さるんだ? …そうか、これは夢…」
『夢ではありません』
「うおっ!?」
現実逃避しようとしたところで何者かの声によって現実に引き戻され、
「誰だ!? いったいどこにいる!?」
思わずそう叫んだ。
すると…
『貴方の目の前に居るではありませんか』
言われた通り目の前を見てみると…さっきから変わらず道路に突き立つ日本刀があった。
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