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拓が夕食を終えて部屋に帰ってくると、彼女はベッドに座って柔らかさを堪能していた。
えいっえいっと言いながら体重をかけベッドを軋ませている。
(意外に可愛いことするんだな…)
そう思ったのもつかの間。
彼女は拓に気付いた途端それを止めて少し恥ずかしそうにそっぽを向いてしまった。
「………」
『………』
場に沈黙が下りる。
先に口を開いたのは拓の方だった。
「あのさ、名前、どう呼べばいいんだ?」
『普通に布都御魂剣と呼んでくれればいいです、拓様』
まだ少しすねているようだ。
「…その拓様ってのは今は置いといてだな、全部は呼びにくいんだよ。だから何か略して呼ぼうと思ったんだが…」
『好きにして下さい』
まだすねている。
「えーとじゃあなんだ…フツ…はしっくりこないな…じゃあタマ…も猫みたいだし…フウコ…?」
『それがいいです』
「え、タマが?」
『違いますっ。その…フウコが…』
どうやらフウコが気に入ったらしいので、
「んじゃフウコって呼ぶからな。」
『はいっ』
まず名前はそう決まった。
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