1人が本棚に入れています
本棚に追加
翌日、土曜なので拓は休みだが両親は仕事でいない
なのでゆっくり昼前まで寝ていようと思っていたのだが、
『拓様、朝ですよ。起きて下さい。』
聞き慣れない声が聞こえた。
半分寝た状態で寝返りをうつと、すぐ近くにフウコの顔が横向きにあった。
膝立ちになりベッドに両手と顎をついて、こちらを見ていたらしいが、距離がまずかった。
「…うわっ」
反射的に逆に飛びのいたが、反対側は壁なので後頭部をぶつけることになった。
「――つぅ…」
『拓様っ、大丈夫ですか!?』
「…あぁ、大丈夫だ…つーかその"拓様"っつーのを止めろ…」
『…なんでですか?』
心底不思議な様子のフウコ。
拓はそんなフウコにため息をついた。
「普段"様付け"なんてされてないからむず痒いんだよ…」
『…なるほど、わかりました。ではなんとお呼びすればいいのでしょうか?』
「おまえも好きなように呼べよ。"呼び捨て"でも"さん付け"でも好きなようにさ」
フウコは少し考えたあとに、
『では…拓さん』
そう呼んだ。
最初のコメントを投稿しよう!