その名の意味

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翌日、土曜なので拓は休みだが両親は仕事でいない なのでゆっくり昼前まで寝ていようと思っていたのだが、 『拓様、朝ですよ。起きて下さい。』 聞き慣れない声が聞こえた。 半分寝た状態で寝返りをうつと、すぐ近くにフウコの顔が横向きにあった。 膝立ちになりベッドに両手と顎をついて、こちらを見ていたらしいが、距離がまずかった。 「…うわっ」 反射的に逆に飛びのいたが、反対側は壁なので後頭部をぶつけることになった。 「――つぅ…」 『拓様っ、大丈夫ですか!?』 「…あぁ、大丈夫だ…つーかその"拓様"っつーのを止めろ…」 『…なんでですか?』 心底不思議な様子のフウコ。 拓はそんなフウコにため息をついた。 「普段"様付け"なんてされてないからむず痒いんだよ…」 『…なるほど、わかりました。ではなんとお呼びすればいいのでしょうか?』 「おまえも好きなように呼べよ。"呼び捨て"でも"さん付け"でも好きなようにさ」 フウコは少し考えたあとに、 『では…拓さん』 そう呼んだ。
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