名のない手紙

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気付けばカウンターに突っ伏して眠ってしまっていた。 目覚まし時計が無くとも体が覚えている目覚めの時間。 夜明け前のうっすらと明るい空だった。 手紙を無造作にジーンズのポケットに仕舞い、海へ向かった。 そして今日も、朝焼けを見る。 赤くなった空と、煌びやかに波打つ蒼い海。 感嘆の吐息が漏れ、僕の心の奥でぐっと込み上げた想いがあった。 しまい込んだ皺だらけの手紙を取り出して、携帯電話に番号を打ち込んだ。 ,
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