名のない手紙

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「もしかして、手紙…」 「そ、そう!瓶に入った手紙!受け取って…」 まるで言い訳するかのように僕は説明をした。 すると電話の向こうで女の子が純粋に溜め息をついた。 「本当に、誰かに読んで貰えるなんて…、思ってなかった…嘘みたい…」 女の子のふふっと優しく笑った声が聞こえた。 「ありがとうございます。…綺麗な海に、流れ着いたんですね。」 「は…はい。」 女の子は独り言か、頷きを求めたのかわからないが、穏やかな口調で言った。 ,
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