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「あの、僕そろそろ店ね開店時間なので…」
気がつけば、朝焼けから大分時間が経ったようだ。
「あ、そうなんですか!すいません…。あの、お名前だけでも…」
「僕の?」
「ええ。」
「悠(はるか)」
「悠さん…ありがとうございます。また、お電話してもいいですか?」
彼女の意外な言葉に戸惑ったが、僕自身も色々聞きたい事があったから、快く頷いた。
「はい。僕なんかでよろしければ…」
「ありがとうございます」
電話越しに何回お礼言うんだって位、僕に『ありがとう』と彼女は言った。
電話が切れた後、僕の耳に残る彼女の繊細なソプラノの声。
信じられない現実に、日常を取り戻すべく店に向かった。
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