名のない手紙

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ただの好奇心にしか過ぎない気持ちが、何の迷いも無しに瓶の中身を見た。 小さく、丁寧に折られた紙を広げると、少し丸みの帯びた文字が書かれていた。 『あなたから見える海は綺麗ですか』 その文の下に、電話番号らしき数字が並べられていた。 紙をじっくり隅々まで見ようとも、宛名はともかく、差出人の名前すら書かれてなかった。 「…なんだ、コレ」 馬鹿馬鹿しいと思った反面、手紙が気になって仕方なかった。 ,
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