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ふと、
私の意識が本からはなれた。
釣り糸に視線を向けたが、
引いている様子はない。
そして、自分と反対の岸に目を向ける。
人がいることに、このときになって私は始めて気づいた。
彼はじっと、私のほうを見ていた。
私は、驚いて思わず身を引いた。
いくら休息だからと言っても、私は軍人だ。
もし人が来れば、絶対に気づくはず。
そうできる自信があったし、そう訓練を受けてきた。
しかし、
このときの私は本当に彼の存在に気づかなかった。
私は、警戒して彼を見つめかえす。
しばらくの間、そのまま時が過ぎた。
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