カフェラテ―彼の存在その2―

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帰り道で彼を見かけた。 タバコ屋の角を曲がろうとしている瞬間だった。 いつぶりだろう、 彼を見たのは。 私は、彼の後を追った。 タバコ屋の角を曲がると、 彼は大通りに出ようとしていた。 大通りに出ると左にまっすぐ歩いていく。 ここは、結構人通りも多い。 しかしなぜか 彼の周りだけ人が自然と避けているような気がした。 それだけ、彼の歩みには余裕があった。 誰の影響も受けてないように。 彼自身、そんな雰囲気の人間だった。 私がはじめて彼を目にしたときも、 彼はどこか 別の世界にいるような印象を受けた。 それが私という世界と接触した。 その瞬間は今でも覚えている。 一瞬にして私の世界がまったく違う、別のものになってしまった感じがした。 彼の世界に飲まれていたのかもしれない。
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