カフェラテ―彼の存在その2―

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最近は、忙しくその喫茶店にも足が遠のいていた。 そういえば、あのハンカチ、何処に置いたっけ・・・ 彼の背中を目で追いながら、ハンカチの行方を思い出そうとした。 思い出そうとして、ふと足を止めたとき 脇から出てきた自転車が目の前を通り過ぎた。 彼の姿が一瞬自転車の陰に隠れ、自転車がいなくなったあとには彼の姿も消えていた。 どこかの角を曲がったか、 それとも建物に入ったのか。 私は、彼を見失ってしまった。 私は、あきらめて、自宅の方へ足を向けた。 道を戻りながら、 あの喫茶店に久しぶりに行ってみようかと思った。 あの甘さのちょうどいいカフェラテが 飲みたくなってしまった。
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