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「名前」
彼がつぶやいた。
そして、独り言とも取れるくらいの声音で言った。
「名前考えよう」
う~んと腕を組んで
眉根にしわを寄せて考える。
自分も少し考えてみる。
白いから・・・マシュマロ、杏仁豆腐、しらたま・・・・・ああ、でもところどころ茶色い毛が混じってるから・・・・・しらたまあんみつ・・・・いやいやいや、まず食べ物から離れろようよ
自分・・・・・・。
・・・・・だめだ。
こういうのは苦手。
しばらくして彼がぼそっと、つぶやいた。
「ぽち」
「なんで」
悩む必要あったの?
「犬だから、ぽち」
そう言って彼はにひっと笑った。
「・・・・・・・・ベタぁ・・」
自分はあきれたまなざしで
彼を見つめる。
彼は犬を抱き、付けたての名前を連呼した。
ずいぶん満足気だった。
変な人・・・。
自分は、腰を上げ、裾についた砂をはらった。
帰ろう。
彼と目が合った。
何も言わずに立ち去るのもあれだから、一言残して行くことにした。
「お子様」
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