夢の話

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夢を見た。 その階段はずいぶん古い螺旋階段で、折り返しの狭いところに 『ガチャガチャ』 が二つ並んであった。 それもとても古い。 全体が赤くて 十円の消しゴムのおもちゃが入っているヤツ。 昔、その『ガチャガチャ』を回すのにハマっていて、 こづかいをせがんではつぎ込んでいた。 「ほら、行くぞ」 突然声をかけられた。 そこでやっと、前に人がいることに気づいた。 そこにいたのは 父さん だった。 オレは、父さんとデパートの中に入ろうとしていたようだ。 父さんに追いつこうと小走りになった。 そばにいって、顔を見ようとしたら、ずいぶん頭を上げなければならなかった。 父さんの頭は、まだはげていなかった。
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