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潤んだ瞳で何かを求めて、真っ直ぐに見つめてくる。
その目は狂気に溢れていた。
真っ赤に染まった唇。
その唇が名を呼ぶ。
自分ではない名を。
輝く鋭い爪をもった手が、自分の体を這いずり回る。
直接地肌に。
その手が、艶かしく大事な部分をなぞる。
あの唇が、舌が舐めて吸い付いてくる。
瞳に囚われ、逃れられない。
ざわざわと体がざわめき立つ。
強まる手の感触。
自分の唇に、真っ赤な唇が触れた。
無理矢理唇を開かれ、中に押し寄せようとしてくる。
手も唇も熱いのに、全身が冷えた。
やめろ!やめてくれ!
感情のまま俺は……
俺は……
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