18人が本棚に入れています
本棚に追加
俺の胸ぐらを掴み、低い声で凄んだ。
「起こすなっつったろ。一歩も歩いてねーお前の記憶力は鶏以下か?あ?」
鬼は此処に居ました。
「堂島に瀬田を起こせと頼んだんだ」
と、ここで救世主が現れた。
瀬田は視線をそちらへ移す。
理解したようで、俺の胸ぐらから手を離すと、
「ごめん」
ポンポンと、俺の頭を撫でた。
「いや…」
恥ずかしくなり、俺は俯いた。
あれ、なんか逆じゃないか?
「瀬田、英訳しろ」
鈴木は黒板を指差した。
其処には日本語が書かれている。
瀬田は頭を掻きながら、黒板の日本語を復唱していた。
「瀬田、寝る余裕があるんだから出来るよな?」
鈴木は嫌味を言っているが、それは瀬田と我妻以外に通じるものだ。
最初のコメントを投稿しよう!