その1

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何故なら瀬田は帰国子女だからだ。 小学校に入るまで、アメリカに居たらしい。 だから黒板の日本語を、日本語を読むようにスラスラと英訳してみせた。 思わず拍手が沸き上がる。 かっこいい、さすがという声がちらほら聞こえる。 さすが俺の彼女だろ? ちなみに我妻はアメリカと日本のハーフだ。 綺麗な目や堀の深さが、ハーフだとなんだか納得させた。 蛇足だが、俺と海崎の英語の成績は破滅的である。 鈴木はとても悔しそうだ。 すると、瀬田は再び口を開くと。 早口の英語で捲し立て始めた。 当然、俺には意味が解らない。 クラスの皆も同じみたいで、ポカンとしている。 我妻なら解るんだろうけれど、弁当に夢中だから聞いてないと思う。
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