その1

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さて、昼休み。 早々に食べ終えた我妻が、瀬田に声をかけた。 「たぁ」 「ん、行くか」 瀬田はロッカーから自分のグローブを取り出した。 我妻と並んで歩き出す。 すると、 「私も行くー」 と、海崎は瀬田の腕に絡んだ。 そりゃ発端はお前だからな、海崎。 行かなきゃ駄目だよ。 というか海崎、そこ代われ。 「いやいや、大変だねぇー佳那汰くん」 「…カズ」 そう言って俺に絡んできたのは、林和彦(ハヤシ カズヒコ)。 我妻や瀬田と同じ野球部だ。 野球部にしては長い髪、そして雰囲気から軽い印象を受ける。 だが、友達想いの男だ。 …確かに、そういうことにだらしないけれど。
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