その1

9/33
前へ
/33ページ
次へ
英語教師の鈴木の怒鳴り声は相当のものだったが…。 瀬田には効果なし。 ぐっすりだ。 鈴木は口元をひくつかせながら、 「無視とは良い度胸だな、瀬田?堂島!」 「は、はい!」 「起こせ!」 俺が起こすの? 起こすなって言われたんですけど…。 さっきの言葉に付け足させて欲しい。 鈴木の眼力に勝てる奴も居たら教えてくれ。 「瀬田、起きろ」 俺は優しく、背中を揺さぶった。 小さく唸りながら、少し眉をひそめる瀬田。 可愛い…じゃなくて! 心を鬼にして、揺さぶり続ける。 「瀬田、瀬田ってば。瀬…」 ガタッ!! 瀬田が突然立ち上がった。 そして。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加