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1980年8月20日、夜10時を過ぎた頃、矢萩は警察署のソファーに横になっていた。
明朝9時までの勤務である。
まだ11時間も勤務時間が残っていた。
矢萩は深く溜め息をついた。
すると騒々しく階段を上がって来る足音がした。
矢萩は、身を硬くした。きっと事件が起こったのだろう。
嫌だなぁ、と思いつつソファーから身を起こし、こっちへ向かって来る警官を見た。
警官は、険しい表情で矢萩の前にやって来ると敬礼した。
矢萩はソファーから立ち上がり、何事だという表情を浮かべた。
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