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たかみな「あーあ怒らせちゃったねー佐江、内田君と今日が3ヵ月って言ってさっきあたしに自慢ばっかしてたんだよ?」
健「そうなの?」
たかみな「うん。どうにかしないと。佐江ああ見えて中身はやっぱり女の子なんだから。」
健「うん。」
たかみな「じゃあたしも行くね。」
麻「すいません。あたしのせいでなんかこんなふうになっちゃって」
健「いや。渡辺さんはなにも悪くないよ。」
麻「でも……」
健「いいって。」
麻「本当すいません。てか内田先輩彼女いたんですね。噂では聞いてたけど本当だったんだ。ちょっとショックだなぁ。」
健「え?」
麻「先輩あたしまえから先輩のこと好きだったんですっ!」
健「好きってそんな急に言われても、実際今佐江と付き合ってるし。」
麻「わかってます。でもあたしの気持ち伝えたかったんです。」
健「うん。分かったよ。ありがとう。でもおれには佐江がいるから…」
麻「…」
健「じゃああとは保健室の先生に任せるから、じゃあまたいつか。」
麻「はい、……あのまたいつか話してもらえますか?」
健「うんたぶんね。じゃ」
そうして健太は保健室をあとにした。
佐江のもとに駆けつけたい気持ちがあるけれど足は自然と保健室に向かっていた……。
健「まだいるかも!」
そう思って保健室に戻ったが一足遅かったようだ。
おれは意味もなく室見川に行った。
きれいに輝く夕陽を見てふと思った。
健「佐江に告ったときもこのベンチだったな。おれなにしてんだろ?」
おれの頭の中は佐江と過ごした3ヵ月の思い出が走馬灯のように駆け抜けていった。
-今からあのベンチに来てほしい-
佐江宛てのメールを送信したときだった。
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