He is White Rabbit.

7/9
前へ
/22ページ
次へ
だって猫っつったら小動物だろ? 確に頭だってキレるし、動きだって速いけど。 …………けいけんほうふ? 「じゃ、僕はこれから女王の所に行かないといけないから」 「は?」 何事も無かった様に白兎は軽く伸びをする。 そして軽い動作でローラーブレードで身体を反転させた。 「え?ちょっと待て。待て待て待て。 俺を此処に放置するわけ?こんな訳分からないトコに?」 今まで地面と仲良くなっていた腰を上げて、二本の足で地面を踏みしめる。 そうしたら、本当にこの不思議の国にいる事を実感した。 「だからさっき言ったでしょ? 『白兎』である<僕>の役目は『アリス』である<駄目アリス>を不思議の国へ導く事。 だから僕の役目はこれでおしまい」 「だからってそりゃ無責任すぎんだろ!」 俺が吠えれば白兎は面倒臭そうに深い溜め息を吐いた。 軽く殴りたくなる衝動を何とか収める。 「大丈夫だよ。お兄さんは駄目アリスでも『アリス』なんだ。 ちゃんと此処で行動できるよ。………案内役がいるしね」 「案内役?」 俺の問いに答えずに、白兎は自分の懐中時計で時間を確認している。 この図だけ見ていたら、ちゃんとした白兎だ。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

87人が本棚に入れています
本棚に追加