87人が本棚に入れています
本棚に追加
だって猫っつったら小動物だろ?
確に頭だってキレるし、動きだって速いけど。
…………けいけんほうふ?
「じゃ、僕はこれから女王の所に行かないといけないから」
「は?」
何事も無かった様に白兎は軽く伸びをする。
そして軽い動作でローラーブレードで身体を反転させた。
「え?ちょっと待て。待て待て待て。
俺を此処に放置するわけ?こんな訳分からないトコに?」
今まで地面と仲良くなっていた腰を上げて、二本の足で地面を踏みしめる。
そうしたら、本当にこの不思議の国にいる事を実感した。
「だからさっき言ったでしょ?
『白兎』である<僕>の役目は『アリス』である<駄目アリス>を不思議の国へ導く事。
だから僕の役目はこれでおしまい」
「だからってそりゃ無責任すぎんだろ!」
俺が吠えれば白兎は面倒臭そうに深い溜め息を吐いた。
軽く殴りたくなる衝動を何とか収める。
「大丈夫だよ。お兄さんは駄目アリスでも『アリス』なんだ。
ちゃんと此処で行動できるよ。………案内役がいるしね」
「案内役?」
俺の問いに答えずに、白兎は自分の懐中時計で時間を確認している。
この図だけ見ていたら、ちゃんとした白兎だ。
最初のコメントを投稿しよう!