He is White Rabbit.

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「…まあ、考えてても仕方ないよな」 大体、あの白兎を追いかけたのは学校生活が詰まらなかった………と言うか、あそこに居る時の生活自体が詰まらなかった。 あの白兎を追い掛けたら何かが変わると思った。 変われると思った、だから―――――― 「ココに来たのは、俺の意思、だ」 只単に導かれた訳じゃない。 導かれたことにもちゃんと俺の意思があってこその事だ。 「んー…まあ、悩んでてもしょうがないし……」 俺は大きく伸びをして、もう一度辺りを見渡した。 白兎が姿を消したのは左手の方。 ってことは、あっちに白兎が居るってこと。 でも、追い掛けるだけってのもつまらないし。 いや、つまらないんじゃない、詰まらなすぎる。 じゃあやっぱり俺が行く方向は。 「右…だよなあ、やっぱり」 折角来てしまった異世界なんだから、楽しまなきゃな。 俺は小さく笑いながら、右側へと脚を進めた。 .
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