87人が本棚に入れています
本棚に追加
「…まあ、考えてても仕方ないよな」
大体、あの白兎を追いかけたのは学校生活が詰まらなかった………と言うか、あそこに居る時の生活自体が詰まらなかった。
あの白兎を追い掛けたら何かが変わると思った。
変われると思った、だから――――――
「ココに来たのは、俺の意思、だ」
只単に導かれた訳じゃない。
導かれたことにもちゃんと俺の意思があってこその事だ。
「んー…まあ、悩んでてもしょうがないし……」
俺は大きく伸びをして、もう一度辺りを見渡した。
白兎が姿を消したのは左手の方。
ってことは、あっちに白兎が居るってこと。
でも、追い掛けるだけってのもつまらないし。
いや、つまらないんじゃない、詰まらなすぎる。
じゃあやっぱり俺が行く方向は。
「右…だよなあ、やっぱり」
折角来てしまった異世界なんだから、楽しまなきゃな。
俺は小さく笑いながら、右側へと脚を進めた。
.
最初のコメントを投稿しよう!