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そう、俺はいたって普通の高校二年生なんだ。
そりゃ名前が『アリス・リデル』なんて女々しい名前だとしても。
童話の中のアリスと同じ金髪、蒼い瞳。
何でここまでそっくりなんだ。
おまけに女顔ときている。………俺は絶対認めないけど。
そんなちょっと変わった極普通の高校二年生の俺、アリス・リデル。
ちょうど17歳を迎えたばかりだ。
そんな俺の目の前で、たった今通り過ぎて行った普通じゃない奴。
そう、それは遡る程でもないちょっと前のこと。
楽しくも何ともない授業に飽きた俺は、いつもの様に学校をサボる事にした。
ちなみにまだ昼を迎える一時間くらい前。
イヤホンを耳にねじ込みながら、適当に学校の敷地内から抜け出した。
「あー…サボったは良いけどこれからどうすっかなぁ……」
今更ながら、サボっても暇だと云うことに気付く。
嗚呼、俺って本当に馬鹿だ。
聴き慣れた洋楽を大音量で流しながら、通学路をのろのろと歩く。
……俺の横を、物凄い速さで普通じゃない奴が通りすぎていった。
「………うさぎ?」
さっき走りすぎてった奴。
白髪頭に白い兎の耳、尻尾。
手には懐中時計と……拳銃?
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