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「やっぱり、白銀はあったかいなあ」
ふかふかの毛並みの心地良さに、思わず目を閉じる。
「それはひそかに嫌がらせか?」
「違うよ。
何て言うんだろ………あっ」
閃いたように、俺は白銀の毛並みを優しく撫でる。
「それは、白銀だからだ。
お前じゃなかったら、こんなにあったかくないはずだ」
正直に言ったのつもりだったのだが、何かしらの反応をくれる白銀は黙ったままだ。
怒ったのか、と様子を伺おうとした俺の耳が本当小さな笑い声を拾った。
「やはり……似ているんだな」
「えっ、何か言った?」
「何も言ってはおらん。
気にするな」
そう言った後、白銀が再び口を閉じたから俺もそのまま奴に身体を預け切ったままでいた。
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