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まぁ、名前で呼んでも不振な点は変わらない――けど用心に越したことはないよね。
麗「此処よ。…時間も有りませんし、さっさと入りますわよ」
そう言うと静かにドアを開ける。
麗「…失礼します。姫咲 凛さんをお連れしましたわ」
そう言って先を行く彼女の後に続いて足を踏み入れる。
「姫咲さん!待っていたわ!」
中へ入ると、どうやら担任らしき若い女性が近寄ってきた。
「ごきげんよう、先生。今日からお世話になります、姫咲です」
見よう見真似で、今朝見てきた人達と同じく挨拶を交わす。
「まぁ!流石"世界の姫咲グループ"の娘さんね。もう、こんな素敵な挨拶が出来るだなんて」
麗「"世界の姫咲グループ"…と言いますと、何ですの?」
「姫咲さんは世界でも5本指に入る程有名な貿易会社のお嬢さんなんですって!ね?姫咲さん」
先生はそう言って話を振る。
「ま、まぁ…けどそれは両親の力な訳ですから他の生徒と大差無い扱いでお願いします」
小中と共に、周りの態度は壊れ物を扱うかの様で嫌だったもんね。それに先ず!目立つのと特別扱いって、全然違うもん。
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