新たな扉が開く時

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嫌な気配がした。 これから起こる事に対して…いや、あたしが考えているよりももっと先に起こる"何か"に――。 「…何だろう?とにかく、とても良いとは言えない夢を見た気がする…のに覚えてない」 上半身だけ起こし、暫くボーッとするあたし――姫咲 凛。 今日で春休みも終わり、明日からは高校最後の年が始まろうとしている…と言うのに何処かやるせない気持ち。 …気のせいにしておこう、うん。こういう時、下手に動くのが一番良くないから。 あたしは自己完結すると部屋を出て洗面所に向かい、その後はいつもの様にリビングに移動する。 蓮「…おっ!凛、今日は早起きさんだな!さては兄ちゃんのテレパシーが通じたのか!?」 …なんて、歯が浮く様な台詞を朝からかましている――姫咲 蓮こと通称、蓮兄。 .
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