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――だって、ほら。
琉「つう事だから、コイツは連れていく。もし凛に手出した奴は直々に俺がなぶり殺してやるからちょっかい出すんじゃねーぞ!」
琉斗があんな事を皆の前で、それも堂々と言っちゃったんだから無理な話だ。
盛大に溜息をつくと同時に、今日1日で聞き慣れた声が耳に入る。
麗「り、琉斗様と凛はどんな関係ですの!?それだけお聞きしたいですわ」
――麗奈である。
彼女の声色からして怒っていない様だが、実際はどうなんだろう?
折角麗奈とは良い感じになれたと思ったのに、あたしの努力は琉斗達の所為で水の泡だ。
ググッと瞳に力を入れて琉斗を見ると、無表情から急に笑顔に変わったと思った瞬間景色が一変する。
「―……な、な、なっ!?」
琉「こういう…いや、これ以上の関係じゃねぇ?」
琉斗は自分の唇を親指でなぞり、ペロッと舌で舐めながら答える。
一方あたしはと言うと、顔を真っ赤に染めてわなわなと震えたまま動けずにいる。
駿「…ったく、早く行くんだろ?」
駿に促され、琉斗はあたしを抱えると急に走り出す。
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