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そして、思考が戻ってきた頃にはもう、場所は先程まで居た校門前では無くあたしの家の前だった。
琉「―…っふう」
琉斗はあたしをゆっくりと降ろすと、ホッと一息をつく。
駿「…ったく、あそこであんな事するなんて計算外だぞ、琉斗」
琉「気にすんなっての。後戻りしない為にああまでしたんだから」
琉斗の答えに駿は溜息をつくと同時に、やっとあたしは言葉を発する。
「…って、ちょっと琉斗!?何を言ってんだか知らないけど、どうしてくれんのさ!折角の貴重な女友達がまた減っちゃったじゃん」
言い終わると隣から『ぷっ』と笑い出す声が漏れたのが解った。
「なーに笑ってんのかな?巖樹?」
巖「チ…チビ先輩、ま、まだ友達とか欲しかったんだ?て、てっきり俺はもう諦めてんのかと…アハハ!」
話している最中も巖樹は笑い続け、終いには腹を抱えて『ヒィヒィ』言ってる。
琉斗と駿も、巖樹と同じく『まだ諦めて無かったんだ』とでも言いたそうな目をしていた。
ム、ムカつくー~!いっそ巖樹みたいに口でハッキリ言われた方がまだ良いよ。
プイッと顔を反らすと、琉斗が近寄ってきた。
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