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話があると、琉斗が言って部屋へ上げてからどれくらいの時間が経っただろうか。
いや、正確には余り経っていないんだろうけど…琉斗を取り巻く空気が重く、あたし達は何も言えずにいるからそう感じるのだろうか。
琉斗は一体、どんな話をしたいんだろう――…?
そんな思いが通じたのか、琉斗は形の良い薄い唇を静かに開く。
琉「凛とは中学からの付き合いで…、その時はアイツも身体が悪かったから療養の為に田舎に行ってて、だから会わずに済んだけど……帰ってきたんだ」
「………んん?琉斗、あたし全く話が読めないんだけど;?」
琉「篠岡 千鶴」
琉斗から返ってきた言葉は、あたしの質問に対する答えでは無く、1人の少女の名前。
篠岡 千鶴…―。
苗字は聞いた事無い――が、下の名前には聞き覚えがある。
「あたしと同じ学校の、子…?」
苦笑いを浮かべて小さく頷く琉斗に代わって、駿が話を続ける。
駿「その子、世間一般的に言えば幼馴染に当たる様な子なんだ」
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