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「…蓮兄は朝から元気だね」
椅子に腰掛け、静かにそう言う。
蓮「おう!俺は如何なる時も凛の為なら元気になるぞ」
全く…こっちはブルーになっているって言うのに蓮兄は気遣うって事を知らないのかな。
あたしが溜息をついたのと同時位に再び蓮兄が口を開く。
蓮「そう言えば凛、ちゃんと部屋見たか?ん?んっ?」
耳に手を当て、キラキラと輝かせた目をした蓮兄に何やらあたしは悪寒を感じる。
へや…?今部屋って言った!?
降りてきた時とは打って変わって、猛ダッシュで階段を駆け上がり自分の部屋へと戻る。
「ハァ…ハァ……一体、何をしたって言う訳?蓮兄は」
グルッと一回りして何か変わった所が無いか確認するが、今ひとつ変わった場所は無い。
「…?何にも…無い?」
念の為、もう一度一回りする。
「……やっぱり無い」
蓮兄が絶対何かしたと思ったんだけど、違ったのかな?
腕を組み、うーんと首を傾げて考え込んでいると、いつの間に来ていたのか蓮兄が声を掛ける。
蓮「クローゼットは見たか?」
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