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絶対そうだよ。だって事実受けた記憶なんて本当に無いんだから。
蓮「いいや!凛は確かに受けたぞ。だって俺がちゃーんと受けさせたんだからな」
「………は?」
あたしはまた、先程同様に口がポカーンと開いたまま塞がらない。
蓮「学年末試験、俺が試験官をしただろ?理事長のよしみでそれを条件にうちの学校で受けさせてくれたんだよなー、これが」
「…ま、待って!だからどういう事かちゃんと説明してよ」
まだ混乱している頭を無理矢理働かせて問い詰める。
蓮「つーまーり、凛が受けたのは実は編入試験だったって訳だぞ!解ったか?」
「……よーく解ったよ。蓮兄があたしを騙してたって事が」
ギンッと鋭い目付きで睨みつけると、蓮兄は一気に青ざめる。
蓮「い、いや…だって親父からそう言われて…だから俺…俺…」
ヤバい、そう思った時には既に遅し。蓮兄はあたしをきつく抱き締めていた。
蓮「りーんー!頼むからお兄ちゃんを嫌いになんないでくれよー」
「あー、もう!解ったから蓮兄解ったから離してよ!」
…どうせ何を言ったって無駄だし、親父と蓮兄も何だかんだで頑固なんだもん。
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