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side-Kenta
蓁也(シンヤ)と真予(マヨ)から連絡を受けて、土砂降りの雨の中を走り回る。
椿の行きそうな場所に心当たりがあったから。
そこにいてくれることを信じて、ただひたすら走った。
最後にあったあの日、椿の目には涙がためられていた。
「好きな人ができたの。
だからもうあうこともないね。
健太さんは五紀(イツキ)さんがいるし、大丈夫だよね。
今までありがとう。」
椿は涙をこぼすこともなく、寂しそうに笑って「さようなら」と呟いた。
その言葉に偽りがあるのに気づいてたのに、引きとめることができなかった。
いや、その資格がなかったんだ。
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