断片集

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排気ガスの臭いの中に懐かしい匂いを感じたように思い、ふと、天を仰いだ。 記憶の彼方にあるあの匂いは、とても微かで……残念なことに最近は、いつもしかと捕まえることができない。 けれど、空から急降下してきた風が鼻の奥をつついて、今日ははっきりと教えてくれた。 もうすぐこの都会にも、雪が降る。
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