8人が本棚に入れています
本棚に追加
あの戦いから数日がたった。
今ミクは都会の外れ、小高い丘の上から海を見渡していた。
彼女の隣には折れた刀と木で作られたお墓があり、そこにはリンの名前が彫ってあった。
「ねぇリン?私ね、歌手になる。スカウトされたんだ。私、新たな道を歩むよ。だから、ここで見守っていてね?」
《見ていてくれる》
《今から始まるの私の物語》
「あっ!もう時間だ。…また、遊びに来るから……月に二回は来るから……じゃあね。」
そう言ってミクは丘を駆け降りる。
(頑張ってね)
リンの声が聞こえた気がして振り向き、後ろを…お墓を見る。
「まさかね。」
《忘れそうになったら》
「決して忘れない。けどもし忘れそうになったら。」
《この歌を》
「リンとよく口ずさんだあの歌を」
「《歌うの》」
最初のコメントを投稿しよう!