その言葉だけで

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優しく撫でる手は、まだ離れて無い。 …ルーク… …ん?あれ、アッシュの声だ…アッシュの声がする… …バカだなー俺。   とうとう夢までみるようになっちまったのか…                       すげ~あったかくて… 気持ち良い感触がする…                                  ………。                                             ……息苦しっ…!? 「…っ!?」 思い切り目を見開くとなんとそこには、アッシュの顔。 睫毛と睫毛が当たる程の至近距離で 「…」 つーかなんだ? ―俺、襲われてる? 温かくて気持ち良い感触が、アッシュに撫でられている感触と重なった (ぃや…ちょっ…) アッシュの方は目を瞑っているせいか、或いはルークとの接吻に夢中になっているからか、こちらが気付いた事には気付いてない。 (…っていうか!舌っ…!舌がっ…) 口内をアッシュの舌がグルグルと舐め回している。 ルークは目を強く閉じた そのせいで一瞬体が強張ったせいか、アッシュはルークが起きた事に気付く だが、何も言わずにまた目を閉じた。 心なしかさっきより強く引き寄せられた。 「…っ!…ちょ…ア、シュッ待っ…」 ルークはアッシュの髪を引っ張り、ジタバタと抵抗した。 その甲斐あってか、アッシュが力をゆるめた。 即座にアッシュから口を離すと、ベッドを後退して距離をとった。 そして呼吸を整える。 「…アッシュ…なんで…?」 ルークから出た第一声はそれだった。 それをアッシュは気に入らなかったらしく、軽くルークを睨んでこう言った。 「…テメェが呼んだんだろうが。…何度も何度も俺の名前連呼してたくせに…今更なにをー…」 あぁ、なるほど。 ルークは頭をフル回転させて、思い出した。 自分は心の中でアッシュを呼んでいた。 「…だから…?だから来てくれたのか…?」 ルークはアッシュに期待をこめて言う。               「…少し違うな」 アッシュはルークの横に据わった。 その拍子にベッドのスプリングがギシリッ、と軋む。 「…じゃ、…なんで…?」 ルークは我慢出来ずにアッシュに問う。 「…。お前が俺の名前を呼んだ後、何か言わなかったか?」
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